司法書士の過払い金請求・債務整理雑感 : 宮城県仙台市の過払い金請求・債務整理

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2011年09月28日

離婚と住宅ローン

司法書士の竹内です。


離婚の際、住宅ローンが残っている住宅の処分が問題になります。

共働きの世帯が多い昨今、ご夫婦二人が連帯債務者としてローンを組み、ご夫婦共有名義で住宅を購入される方も多いです。

ご夫婦の一方の収入で住宅ローンをまかなえるのであれば、ローンの借換え等で対処できます。
つまり、離婚による財産分与で住宅の名義をご夫婦どちらかに寄せ、住宅を所有することになった方だけを債務者とする住宅ローンを組み直すのです。
もちろん、このためには金融機関の同意が必要で、お一人で住宅ローンを組み直すだけの収入があることが前提となります。

他方、ご夫婦合わせての収入を前提にローンを組んでいて、お一人の収入ではローンの返済ができない場合、住宅ローンの借換えは困難です。
このような場合、返済不能に陥らないためには、今後も協力して住宅ローンを返していく、というのが一つの方法です。
ただし、住宅に住まない側も返済を続けなければならない不公平感や、完済後の住宅の清算関係等、面倒な問題が伴います。

また、住宅を残すことにこだわらなければ、住宅を売却してローンを完済するという方法があります。

もし住宅がローンの残高よりも高い価格で売却できれば、ローンを支払って残った売却益を分け合えばいい、という話になります。

ただし、通常はローンを組んでから相当の期間が経たなければ、住宅の価値がローンの残高を上回ることはありません。このため、住宅を売却しても、ローンが残ってしまうケースが多いです。

このような場合、住宅を売却してローンを返済し、残った債務については、債務整理を行うことをお勧めします。

住宅ローンは高額なので、売却後も数百万円のローンが残ることが少なくなく、場合によっては自己破産をしなければならないこともあるでしょう。

離婚が原因で破産なんてしたくない、と思われる方もいらっしゃるかと思います。

ただ、不要なほど広い住宅のため、今後もお互いがローンに縛られ、数十年間返済を続けていくよりも、今債務を整理して新しい生活に向かう方が、はるかにメリットが多いように感じられます。


なお住宅の処分方法については、他にもいくつか選択肢がありますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。

離婚の際の住宅の処分は、お互いが新しい生活に向かうため、避けることができない問題です。

じっくりと向き合い、ご自身の状況にいちばん適した方法をとることをお勧めします。
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2011年09月05日

SFコーポレーション(旧社名:三和ファイナンス)の破産について

こんにちは。所員Mです。
今日も堅い話で恐縮ですが、中堅消費者金融業者のSFコーポレーションが、8月26日に東京地方裁判所から破産手続の開始決定を受けました。今後、SFコーポレーションについて破産手続が始まることになります。

SFコーポレーションという名前は2008年に以前の社名から変更されたものですが、変更前の「三和ファイナンス」という名前の方が馴染みがあるのではないでしょうか。準大手として、一般消費者を対象に小口の融資を手がけ、2004年には年収入高約459億8300万円を計上していた企業です。
三和ファイナンスは過払金の返還に非協力的であったことから、何度か過払債権者から破産を申し立てられていました(破産の申立ては、債権者も債務者もできます。債務者が行う申立てを、特に「自己破産」と言います。)が、今回は自ら破産の申立てをしたようです。

今回SFコーポレーションが申告した負債額は約1897億円、そのうち過払金債務は約1865億円であるとのことです。SFコーポレーションのこれまでの対応からすると、財務状況はあまり良くないと思われますので、この過払金1865億円余りは、おそらく大幅に減額されてしまう可能性が高いでしょう。なんにせよ、過払金も配当を受けるためには破産手続に参加する必要があります。詳しい日程については、今後の発表になるとのことでしたので、過払金をお持ちの方はSFコーポレーションからの発表にご注意ください。

昨年の武富士もそうですが、ここのところ、貸金業界も再編が進んでいるようです。先日、プロミス傘下でクレジットカード会社ののエージーカードも、8月31日付で特別清算手続を開始しています。

今後も状況を見極めた上でしっかりと対応していかなければな、と思うとともに、我々も対岸の火事と思っていてはダメだな、と思う今日この頃です。
それではまた。
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2011年09月02日

SFコーポレーションの破産手続開始について

2011年8月26日に、貸金業者のSFコーポレーション(以前の名前は「三和ファイナンス」でした。)が、破産手続を開始しました。
SFコーポレーションは2008年9月12日に、過払金がある一部債権者から破産を申し立てられており、この時は過払金を返す、という約束をして破産を免れていましたが、今回は自ら破産を申し立てたようです。
そこで、破産手続がSFコーポレーションと取引のある方に与える影響と、今後手続がどのように進んでいくかについて簡単にご説明したいと思います。

破産手続とは?


破産手続とは、今ある財産で負っている借金を返せない状態が続く場合に、裁判所の監督のもとで財産と借金の額を明らかにする手続です。
財産と借金が明らかになれば、財産を処分して借金を返し、返せない借金は帳消しにします。
破産手続では、破産管財人という弁護士が手続を進めますので、破産者は勝手に財産を処分できなくなります。
しかし、反面で破産者に対して権利を持っている方(「債権者」といいます。)も勝手に破産者から返済を受けることはできません。債権者は破産手続で権利を行使しなければならなくなります。
* * * * *
このように、破産手続は、破産者(今回はSFコーポレーションが破産者となります。)と取引のある方に大きな影響を与える手続です。
では、実際にどのような影響があるかをみていきます。

破産手続がSFコーポレーションと取引のある方に与える影響


SFコーポレーションに借入れがある方(SFコーポレーションの借主)
SFコーポレーションに借入れのある方の借入額は、破産手続が開始しても、増えたり減ったりはしません。
ただ、破産手続の開始によって、SFコーポレーションの財産を管理する権限は破産管財人の弁護士に移っています。ですので、SFコーポレーション自体は返済を受け取る権限はなくなってしまいました。
今後、SFコーポレーションの借主がどのように返済をしていくかは、SFコーポレーションや破産管財人の弁護士から連絡があると思われます。過去の事例では、今まで通りの返済方法で破産管財人が返済を受け取る仕組みにしていましたので、SFコーポレーションについても、おそらく同様の取扱いになると思われます。
なお、SFコーポレーションが借主に対して持つ権利(「債権」といいます。)ももちろん処分の対象になります。おそらく別の貸金業者に売却され、売却代金は破産債権者への返済に回されるものと思います。
債権が別の貸金業者に売却された場合は、振込先口座が変わることになります。振込先口座が変わる場合の連絡はSFコーポレーションから届きますので、SFコーポレーションからの連絡は必ず目を通すようにしてください。

SFコーポレーションに過払金がある方


SFコーポレーションに過払金のある方は、「破産債権者」として破産手続の中で返済を受けることになります。
破産債権者が持っている権利は、破産手続の中で額が決められますので、現在SFコーポレーションに対して裁判を行っている場合、その裁判はストップすることになります。また、SFコーポレーションの財産の管理権は破産管財人が持つことになりますので、SFコーポレーションに対して強制執行を行っている場合も、同様にその強制執行はストップすることになります。
今後、破産債権者は裁判所に自分の債権がいくらかを届け出て、破産手続の中で返済を受けることになります。その際、債権の額は返済率に従って減額されてしまいます。
簡単な数字で説明すると、SFコーポレーションが今抱えている借金が100億円だとします。そして、SFコーポレーションが持っている財産を全て処分しても、10億円にしかならないとしましょう。そうすると、全ての債権者に平等に返済するとなれば、債権額の10%しか返せないことになります。この10%という数字が「返済率」です。100万円の過払金を持っている人も、破産手続の中では10万円しか返済されないことになります。
破産手続で返済されない90%の部分は、後から請求することはできなくなってしまいます。

今後のスケジュールについて


破産手続では、「今ある財産」と「負っている借金」の額を確定する手続が平行して進められます。破産者に借入れにある方は前者の手続に、破産者に過払金のある方は後者の手続に関係します。
破産者に借入れにある方は、SFコーポレーションからの連絡に気をつけて返済を継続すれば問題はありませんが、破産者に過払金のある方は、自分が持っている過払金の額を裁判所に対して届け出なくてはなりません。
そして、「今ある財産」と「負っている借金」の額が確定した後で、返済率の発表があり、返済率に従った返済がスタートしていきます。
現在SFコーポレーションは今後のスケジュールを作成している途中だと思われますので、債権額を裁判所に届け出る時期や、実際の返済時期は未定です。ただ、債権者への連絡は10月上旬になるとのことでした。
SFコーポレーションは過払金のある方や返済中の方など多数の関係者がいますので、手続には時間がかかるものと思われます。昨年会社更生手続に入った同じ消費者金融業の武富士は、債権の届出が開始決定の5ヶ月後まで、返済開始が1年3ヶ月後から(予定)ですので、同程度の時間がかかるものと考えられます。

今後、SFコーポレーションについて何らかの動きがあれば、またお知らせしたいと思います。
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2011年08月25日

武富士の更生計画案について

昨年9月に会社更生手続を開始した武富士ですが、平成23年7月15日に更生計画案が発表され、裁判所が武富士の計画案を債権者達の決議に回す、という決定が7月22日に出されました。今後は、この武富士の提出した更生計画案が、武富士の手続で大きな役割を果たすものと思われます。
そこで、今回提出された計画案の内容や、今後の手続の流れについて、少し詳しくご説明していきたいと思います。


そもそも更生計画案って?


会社更生手続は、今ある借金を返済できる額にまで小さくすることで、会社の更生(=再生)を図る手続です。
ただ、会社に対して権利を持っている人、すなわち債権者からすれば、持っている権利が少なくなってしまうわけですから、なんの理由も無しに「借金を割り引け。」と言われても納得はできません。
そこで、「今会社にある財産はこれだけです。この財産をこのようにして債権者に支払っていきます。その上で、こうして会社を立て直します。」という計画を作り、債権者がその計画で納得できれば手続を進める、というようにしています。この計画が、「更生計画」であり、債権者に了承をもらうまでのものを「更生計画案」といいます。
更生計画案には、現在会社が持っている財産や抱えている借金の額、債権者に対する返済の額(率)や時期などが盛り込まれています。債権者にとってみれば、更生計画案が了承されれば、まさに計画案に沿って返済を受けるわけですから、とても重要なものであると言えるでしょう。


武富士の更生計画案


それでは武富士の更生計画案を見ていくことにしましょう。
まず、発表時点で武富士が保有している財産の総額は、お金に換算できないものを除いて約220億円とのことです。これは東日本大震災の影響もあり、大幅に下落してしまった旨の発表がありました。
さらに、武富士の貸金業部門は韓国の金融会社であるA&P社が、スポンサーとなって引き継ぐ事になっていますが、このA&P社からは貸金業部門を引き継ぐ対価として、280億円の資金提供がある模様です。
この両者を合わせた約500億円が、武富士が債権者に返済をする元手になるものです。
反対に、武富士が抱えている借金は、過払金も含めておおよそ1兆5000億円とのことです。
そして、元手の500億円からこの1兆5000億円に対して返済がされますので、返済率は3.3%となります。
例えば、武富士に対して100万円の過払金を持っている債権者の場合、更生計画で返済されるのは100万円のうち3万3000円であるということです。
ただ、この3.3%という数字はあくまで「発表時にお金に変えることのできた財産を元にした数字」であって、今後お金に変えることのできる財産は含まれていません。武富士は、発表後にお金に変えることのできた財産を元手に、第2回目の返済をする予定だ、としています。
そして、この3万3000円がいつ返ってくるかというと、発表によれば平成23年12月から平成24年11月までの間であるとのことです。今回の手続は、債権者が91万人にも上る大規模なものであることから、具体的な返済時期を決めることが現段階ではできないようです。第2回目の返済については、時期すら決まっていません。更に言えば、返済自体がないかもしれません。


今後の手続


現在債権者には、武富士から更生計画案と、更生計画案に対する賛否を問う書面が郵送されています。債権者は、更生計画案を確認し、更生計画案に賛成するか、反対するかを投票することになります。投票の締切は平成23年10月24日です。
投票が締め切られたあと、債権者の投票を集計し更生計画案を了承するかどうかが決められます。了承するためには、更生債権額の半数以上の賛成が必要(その他の要件もありますが、ここでは省略します。)です。投票しない場合は、更生計画案に賛成しないものとして扱われますので、注意が必要です。


更生計画案が了承された場合

更生計画案が了承されれば、債権者には更生計画に沿った返済がされます。そのかわり、3.3%(第2回目の返済があった場合はその部分も含む)を除いた部分は、あとから請求することはできなくなってしまいます。

更生計画案が了承されなかった場合

更生計画案が了承されなかった場合、または了承はされたがその他の理由で計画が頓挫してしまった場合には、更生手続は終了となります。
更生手続終了後の武富士は大きな信用不安を抱えた状態となりますので、十中八九は破産手続に移行するものと思われます。
債権者は、更生手続ではなく破産手続で返済を受けることになりますので、それほど手続自体はかわりません。ただ、上で述べたスポンサーからの資金提供はなくなってしまいますので、返済率は更に低下してしまいます。武富士の発表によれば、破産手続での返済は債権額の1.92%になってしまう模様です。


どうすればよいか、ひとつの考え


では 果たして武富士の示した「返済率3.3%」というのは妥当な数字なのでしょうか。
今回の更生手続では、一部の債権者から返済率を16%超とする更生計画案も提出されていました。しかし、裁判所は16%超の更生計画案を「実現可能性が乏しい。」という理由で退けています。その点からすると、武富士が作成した3.3%という数字は現時点では最も妥当な数字に近いものと言うことができるでしょう。
その上で更生計画案への賛否をみると、反対して破産手続に移行するより、賛成して更生手続で返済を受けた方が、より多くの返済を受けることができます。
もちろん、破産手続での返済率はあくまで武富士発表のものですので、低く見積もっている可能性は捨て切れません。しかし、破産となると資産価値は劣化するのが通常です。今後破産手続に移行した場合に更に時間がかかることを考えると、3.3%より劇的に返済率が増える可能性は低いものと考えられます。
ただ、今回は創業者一族に多額の税金の還付金があったり、経営陣の経営責任が問題となっていたり…と未解決の問題も残されています。
このような中で、経営陣の経営責任を追求する損害賠償請求訴訟を起こす動きがあるようです。返済率や更生計画自体に納得のいかない方は、この訴訟に加わるという方法もあるのではないでしょうか。


今後の展開


今は、債権者が更生計画案を確認し、更生計画案に賛成するか、反対するかの投票を行っている段階です。この投票は平成23年10月24日に締め切られ、集計に回されます。早ければ、10月の終わりには更生計画案が了承されて更生手続が進むか、反対に了承されずに破産手続に移行するかが分かる模様です。
当事務所でも、今後の動きを注視していきたいと思っています。
以上




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posted by 司法書士高野和明 at 11:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 過払い全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月02日

震災による業者の返済猶予状況

司法書士の竹内です。


以前こちらでもご紹介しましたが、震災の影響で債務の返済ができなくなった方につき、多くの貸金業者やクレジット会社は、個別に事情を聴き、返済を猶予するという対応を取っています。


震災専門のコールセンターを設ける業者もあり、一般の方にも、専門家に依頼等をせず、ご自身でん業者とお話しし、返済を停止している方も多くいらっしゃると思います。


当事務所でも、やはり震災により返済を中断せざるを得なくなった依頼者の方については、事務所から個別に業者を猶予依頼を行っていました。


震災からまもなく5ヶ月ですが、返済が困難だった方の中にも生活の安定を取り戻した方がいらっしゃり、また返済を再開したいとの連絡をいただくようになりました。


このため、返済開始時期や今後の返済金額につき、業者との間で調整を図っていますが、話していますと、業者によって対応が違うということを感じます。


業者対応の例としては、

・以前と同じ条件で返済を再開し、その分返済終了日を後倒しにしてOK
・当初の返済終了予定日に追いつくように、遅れた分を多めに入金してほしい
・返済停止中の遅延利息を一部支払ってほしい
・以前と同じ条件で返済を続けるなら再度和解(債務整理)してください

・・・等々。


当初返済猶予をお願いした際には、「支払えるときからで構いません」という口調の業者が主だったので、正直「え、ただ返済を再開するだけではダメですか?」という気持ちになりました。


しかし本来、業者には震災があったからといって返済を猶予する義務はなく、いわば業者側の裁量(厚意)で待ってもらっていた状態です。


むしろ法律上は損害金全額付加、一括請求の権利が業者にはありますので(実際にはそういう業者は見たことがありませんが)、多少の注文をつけられるのはやむを得ないのかな、とも思います。



ところで、最近は業者から「返済再開はまだですか?」という問合せも受けるようになりました。


業者側としても、いつまでも待っていられる訳ではない、ということでしょう。


震災のため返済ができなくなっても、「収入が回復したら、返済を再開したい」と希望される方が大部分です。


そのお気持ちは大事にしたいと思うものの、いつまでも先送りにはできない問題でもありますので、悩ましいところです。


個人的には、安定した生活を再スタートするため、自己破産や民事再生も一つの手段として検討してみていただきたいと思っています。
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posted by 司法書士高野和明 at 13:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 債務整理全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月19日

破産手続と震災支援金について

スタッフのSKです。

先日、金融法務事情に仙台地裁第4民事部の裁判官の執筆が掲載されておりましたので、ご紹介いたします。その内容は平成23年3月11日の東日本大震災に伴う、仙台地裁の事務処理・運用(特に被災者の方が受領する各種の給付金)についてです。

災害時に支給される支援金(被災者生活再建支援法)を、破産手続でどのように扱うかについて、要点をまとめると下記のようになります。

@破産手続開始後に震災があり、支援金が給付される場合、支援金は新得財産(自由財産の一つ)となる。要するに、支援金は破産財団を構成せず、手元に残すことができるということになります。

A破産手続開始前に震災があり、支援金の支給前であれば、支援金は性質上の差押禁止財産として破産財団(破産法34条3項2号)を構成しないので、自由財産となる。要するに、こちらも債権者の配当に回ることはなく、手元に残すことができるということになります。

B破産手続開始前に震災があり、支援金が支給されていれば、原則、支援金は破産財団を構成するが、自由財産拡張で柔軟に対応する。要するに、支援金は債権者の配当に回ることになり、原則99万円の範囲内であれば、手元に残すことができるということになります。

なお、公的給付という点で共通する災害弔慰金及び災害障害見舞金についても上記の考え方が妥当すると述べています。

ただ、これらはあくまでも「仙台地裁の運用」であって、その他の裁判所が同様に考えるかどうかを保証するものではありません。


自己破産を考えていらっしゃる方は参考にしていただければと思います。
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2011年07月13日

武富士の更生手続

司法書士の大田です。

昨年9月に経営破綻した武富士の会社更生手続について、更生計画案の提出期限である7月15日が迫ってまりました。

更生管財人に届出のあった武富士に対する債権は、約90万件で総額約1億3,000万円と言われていますが、
管財人が提出する計画案では、債権者に対する弁済率が2〜4%程度になると予想されています。

つまり、この案が認めらると、100万円の債権を届け出た人も、2〜4万円しか回収できないということです。

これに対して、過払い金を有するかつての利用者の代理人弁護士や社債保有者である海外の投資家グループは、独自の再生計画案を提出しているようです。
前者は、創業家一族の資産を支払いの原資にすべきとする内容、後者は、再建よりも清算をすべきとする内容で、
当然ながら、何れの案でも、管財人が提出する計画案の予想よりも高い弁済率となっています。


また、更生手続の一方で武富士は、韓国の消費者金融大手A&Pファイナンシャルがスポンサーとなって営業を再開すると発表しています。
再開するといっても、要は貸付部門等だけ切り離して売却するということですので、債務を引き継ぐ訳ではありません。

一方で債務の支払いを免れながら、他方で営業を再開するというのは、債権者としては、納得できない気持ちが大きいですよね。

武富士の更生手続の経過につきましては、また追ってご報告したいします。
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2011年07月08日

相続放棄と保険金

相続放棄とは、一言でいえば被相続人の債務を引き継がない、その代わりにプラスの財産も一切受け取ることができない、という手続です。


少しでも相続財産を処分したり、受け取ったりすると、プラス・マイナスを含めた相続全体を承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなります。


相続放棄の手続をした後、相続財産を処分した場合も同様で、相続放棄が無効になります。


このように説明しますと、「相続放棄をするとプラスの財産を受け取れないということは、死亡保険金も受け取れないのか?」とご心配される方が多くいらっしゃいます。


相続放棄をした場合に死亡保険金を受け取ることができるかどうかは、保険の契約内容によって結論が異なります。


相続放棄をするときに受け取ることのできない相続財産とは、被相続人が生前保有していたすべての権利・財産を指します。


死亡保険金の受取人として相続人のうちの誰かが具体的に指定されている場合、もともと保険金を受け取る権利はその方の固有の財産であるため、保険金は相続財産には含まれません。
したがって、相続放棄をした相続人であっても、死亡保険金を受け取ることができます。


受取人が被相続人自身になっている場合には、保険金は相続財産となり、相続放棄をすると保険金を受け取ることができなくなります。


なお、受取人が「相続人」となっている場合、保険金は「相続財産」ではありませんが、相続放棄をした人は相続人でなくなるため、保険金を受け取る権利を失います。(放棄する前に受け取った場合、相続人であること認めた、と判断されることになるでしょう。)


相続放棄を考える場合には、保険会社に契約内容をよくご確認ください。
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posted by 司法書士高野和明 at 15:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 債務整理全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月21日

民事再生と会社更生の違い

司法書士の竹内です。


さて、武富士が「会社更生」手続を行っているのはご存じの方が多いと思います。

最近、あらたに丸和商事という会社が「民事再生」手続を開始しました。


「民事再生」や「会社更生」という言葉は、ニュース等でよく耳にするようになり、語感からも「倒産した会社が経営を建て直す」というイメージがあると思います。


どちらも、債務を返済できなくなった会社(またはそのおそれがある会社)が、業務を継続しながら、今ある債務を大幅にカットして返済していく「再建型」の倒産手続です。

(これに対し、「破産」では会社の財産を売り払って債権者に配当し、会社自体は消滅するので、「清算型」の倒産手続と呼ばれます。)


では、「民事再生」と「会社更生」はどこが違うかと言うと、「民事再生」は個人も会社も利用できるのに対し、「会社更生」は比較的大きな会社のために用意された手続です。


会社更生では、利害関係者が多く、債権額も大きいことを想定しているため、民事再生と比べて手続全体が複雑・厳格になっています。具体的には、

・利用できるのは株式会社のみ
・旧経営陣は会社経営から離れ、管財人が経営権を引き継ぐ
・担保権等、優先権のある債権も勝手に権利を行使できず、再建手続内で処理される

というような特徴があります。


と、説明が長くなりましたが、これらの違いは倒産した貸金業者への過払い金返還請求にはあまり関係がありません。


実際に関係してくるのは、会社更生法の「失権効」といわれるものです。


会社更生の場合、債権の届出期間内に届出がされなかった債権は、事情にかかわらず返済を受けられなくなります。つまり、減額されるどころが1円の返済も受けられなくなってしまうのです。

このため、過払い金のある会社が会社更生を行った場合、忘れずに債権届出を行う必要があります。

ちなみに、武富士の債権届出期間は2月いっぱいですでに締め切られています。
中には、「武富士が会社更生をしているなんて知らなかった」「よくわからないから放置してしまった」等、届出をしていない方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら今から配当を受けるのは困難です。



これに対し民事再生の場合、やはり届出をしないと原則としては失権してしまうのですが、やむをえず届出ができなかったのであれば、再生計画に従った配当を受けることができます。

なお、民事再生でも、期間内に届出をしておいた方がいいのは当然です。

丸和商事の債権届出期間は6月末までですので、お手元に債権届出書がある方は、すぐに債権届出を行ってください。






過払い金請求が集中している状況を考えますと、今後も倒産手続をとる貸金業者も出てくる可能性があります。

その際にはせめて債権の届出をお忘れなきよう、お気を付けください。
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2011年06月01日

連帯保証の怖さ

所長の高野です。


最近私が担当したご相談の中で、改めて連帯保証の怖さを感じた案件があります。


最初は「相続の相談」


その案件は、最初は「父親が亡くなったことによる相続手続の相談」ということでいらっしゃいました。



  • 亡くなった父親は、退職後にマンションを購入した。

  • 父親がマンション購入のためにローンを組む際、相談者が連帯保証人になっている。

  • 父親のマンションローンはかなり残っている。

  • 父親は、生前にカードローンも利用していて、数百万円が残っている。

  • 相談者は、独自に住宅ローンを組んで戸建住宅を建て、現在そこに住んでている。

  • 相談者は、マンションを相続しなくて構わないから、父親のマンションローンを相続したくない(相続には一切関わりたくない)。なので、相続放棄を考えている。


だいたいは、以上のような相談でした。


この案件については、父親の相続については単純承認した上で、相続したマンションを任意売却してマンションローンを圧縮し、その後に残った負債については住宅ローン特則付の個人再生(できれば、小規模個人再生ではなく給与所得者等再生)でさらに圧縮したほうが良いのでは、とアドバイスさせていただきました。


この方法なら、相談者が自ら建てた住宅を失うことなく、相続した借金(と連帯保証債務)をかなり圧縮することができます。


ネックは連帯保証


相談者が父親のマンションローンについて連帯保証人にさえなっていなければ、この案件は相続放棄をするだけで簡単に解決できました。


しかし、相談者がマンションローンの連帯保証人になってしまっていたため、相続放棄をしようがしまいが、相談者はマンションローンから逃れられません。


親族だからと気軽な気持ちでマンションローンの連帯保証人になってしまったために、いろいろと気苦労をする羽目になってしまったのです。


連帯保証の怖さを改めて感じた案件でした。

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