過払い金返還請求の争点 : 宮城県仙台市の過払い金請求・債務整理

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2009年07月05日

過払い金請求と貸金業者の解散・清算

多忙にかまけて、すっかり更新を怠っていました・・・


過払い金請求と解散・清算

かなり稀な例ですが、過払い金請求をしようとしたところ、相手の貸金業者が解散し、清算状態に入っていることがあります。

当該業者に過払い金を請求すると、先方の代表清算人より、「当社が解散した際、債権者に対して債権届を促す公告を行いました。ところが、貴殿は届出期間内に債権届を行っていないため、貴殿は当社の清算手続から除斥されております。したがいまして、当社は貴殿に対して過払い金を返還しません。」という返答があります。

果たして、この理屈は正しいのでしょうか?


清算から除斥されても、過払い金は請求できる

結論から申しますと、貸金業者が解散し、さらに清算手続から除斥されてしまったとしても、当該貸金業者に残余財産がある限り、過払い金の請求は可能です。

このことは、会社法が明確に定めております。



会社法第五百三条(清算からの除斥)
清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。
2  前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる


実際、当事務所で取り扱った事例でも、弁護士でもある代表清算人から「清算手続から除斥されているので、そちらに過払い金を払わない」と反論されましたが、結局は和解が成立し、9割程度を返還してもらいました。


解散・清算の絡む過払い金請求は法律専門家へ

「清算から除斥されていても過払い金は請求できる」と書きましたが、実際に回収するのはそんなに簡単ではありません。

過払い金請求の知識に加えて、会社法の知識も必要になってきます。

もし、相手の会社が解散し、しかも解散から2か月以上経過している(清算から除斥されている)場合には、過払い金の回収は司法書士や弁護士に任せたほうが良いでしょう(なお、司法書士や弁護士に任せたとしても、清算会社から必ず過払い金を回収できるわけではありません)。



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2009年01月22日

過払い金の消滅時効の起算点は取引終了時!!

ついに消滅時効の問題が解決!?


平成21年1月22日、最高裁は「過払い金の消滅時効の起算点は取引終了時」とする判決を出したようです。


この点、CFJは以前から「過払い金の消滅時効の起算点は過払い金発生時点であるから、取引の継続中であっても過払い金が時効消滅していく」と主張し、かなり力を入れて争っていました。


また、アイフルも最近は同様の主張をするようになってきていました。


地裁や高裁のレベルでは貸金業者側の主張が認められた判例もありましたので(確か仙台高裁でも一件あったと思います)、この消滅時効の問題は心配していた点でした。


それだけに、今回の最高裁判決には安心しました。


過払金充当合意法律上の障害となり、消滅時効の進行を妨げる」とは、よく考えたものだな〜と関心してしまいます。


油断は禁物?


ただ、ざっと判決文を読んだ限り、判決理由の中には貸金業者側からの反論を許しそうな点もあるような気がします。


最近のアイフルは過払金充当合意の存在からして争っていますし、今回の判例を受けても態度を変えないかもしれません・・・


とりあえず、学者や最先端の弁護士・司法書士たちが判例の評釈をするでしょうから、それを参考にいろいろと考えてみる必要がありそうです。



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2008年09月01日

金銭消費貸借契約の錯誤無効

消費者問題に特化した消費者法ニュースという雑誌を定期購読しているのですが、最新号(76号)に注目すべき判例が載っていました。

取引に分断(完済、中断)がある事案につき、取引再開の際に締結された金銭消費貸借契約が無効であるというものです。

この考え方が主流になってくれば、分断・充当・消滅時効といった最近の難題が解決される可能性があります。

あまり期待はできませんが、現在係属中の訴訟ではこの錯誤無効を主張してみようかと思っています。


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2008年07月03日

実際の訴訟における残高無視計算

残高無視計算に基づいて過払金返還請求を行うには、基本的には提訴するしかありません。

では、提訴すれば簡単に勝てるのかと言いますと、結論を先に言うならば、残念ながら簡単には勝てません。


<残高無視計算の問題点>


残高無視計算の最も大きな問題点は、未開示部分の取引の長短に関わらず、開示された取引履歴の冒頭残高をゼロとしてしまう点です。

例えば、レイクは平成5年9月以前の取引履歴を開示しませんが、レイクとの初回契約が平成4年1月だったとすると、開示されていない取引の期間は1年9ヶ月程度ということになります。

通常、1年9ヶ月程度の取引で過払い状態になることはありませんので、平成4年1月にレイクから50万円を借りたとすれば、平成5年10月の段階では30万円〜50万円程度の残高が存在したことは想像できます。

しかし、残高無視計算では、このようなケースであっても平成5年10月時点での残高をゼロ円として扱うことになるのです。

裁判官としては、現実にあり得ない計算結果を認めることに抵抗を抱くことも少なくないようで、私が担当した事案ではいずれも難色を示されています(私の主張の仕方が悪い可能性もありますが・・・)。


<残高無視計算の現実>


司法書士や弁護士は、残高無視計算を「冒頭残高が存在することについて、貸金業者に立証責任がある」という前提で主張するわけなのですが、裁判所は「冒頭残高がゼロ円だったことについて、顧客に立証責任がある」という考え方を取る場合が多いように思われます。

裁判所の考え方をレイクの事例にあてはめると、昭和60年頃に契約をしていれば、平成5年10月までには8年程度の取引期間があり、平成5年10月の時点で残高ゼロ(過払い)状態にあったことが推認できるので、残高無視計算が認められやすいことになります。

逆に、未開示の取引期間が短い事例では、残高無視計算ではなく、取引履歴の推定計算を指示されることが多いように感じます。


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posted by 司法書士高野和明 at 12:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 過払い金返還請求の争点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

残高無視計算の正当性

残高無視計算が認められる理屈を簡単に表現しますと、「貸金業者が取引履歴冒頭の貸付残高があったことを証明しなければならないから、貸金業者がこれを証明できないならば、取引履歴冒頭の貸付残高は存在しなかった(ゼロ円)として扱わざるを得ない」ということになります。

これに対して、貸金業者からは「過払金返還請求においては、冒頭残高がいくらだったかを顧客側で証明するべきである」との反論がなされます。


果たして、どちらが正しいのでしょうか?


まず、顧客に対して「冒頭残高がいくらだったか」を証明させるのは、不可能を強いるに等しいと認識しなければなりません。

顧客が「冒頭残高がいくらだったか」を証明するには、完全な取引履歴が必要になるのですが、そもそも、貸金業者ですら取引履歴を保管していないような事例で、顧客が昔の取引履歴を保管しているはずがありません(最高裁が貸金業者に対して取引履歴の開示義務を認めたのも、顧客が取引履歴を保管することは期待できないためです)。

逆に、貸金業者は、そもそも取引履歴の保管義務が負わされているわけですから、「冒頭残高がいくらだったか」を貸金業者に証明させるとしても、何ら酷なことではありません。

そう考えると、貸金業者側に冒頭残高の立証責任を負わせ、立証できない場合には残高をゼロとする残高無視計算には正当性があると思えてきます。

とは言え、この点についての最高裁判例は出ておらず、貸金業者が残高無視計算を素直に認める事例はほとんどありません。

残高無視計算によって過払金返還請求を行う場合、基本的には、提訴するしかありません。


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残高無視計算(残高ゼロ計算、冒頭ゼロ計算)

貸金業者に対して取引履歴の開示を請求すると、「平成5年9月以前の取引履歴は所持していないため、開示できません」と回答される場合があります。

こうした場合の対処方法としては、残高無視計算という方法があります。
(なお、「残高ゼロ計算」や「冒頭ゼロ計算」と様々な呼び方がありますが、以下「残高無視計算」と統一します)

残高無視計算とは、貸金業者が開示した取引履歴の冒頭の貸付残高をゼロとする(貸金業者の主張残高を無視する)計算方法です。

この方法だと、計算が最初からマイナス(過払い)になることがありますが、そもそも取引履歴をしっかり管理していない貸金業者が悪いのですから、これはこれでしょうがないものとして計算します。


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posted by 司法書士高野和明 at 00:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 過払い金返還請求の争点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月01日

取引履歴の開示義務

過払金返還請求において、かつてはみなし弁済の問題と並んで重要だったのが、貸金業者の取引履歴の開示義務の問題です。

かつて、貸金業者の法律(貸金業規制法)には、貸金業者の取引履歴の開示義務が定められていませんでした。

そのため、借主が過払金返還請求や債務整理のために取引履歴の開示を請求しても、拒まれるケースが多かったのです。

貸金業者は取引履歴の開示を拒むことで、借主に引直計算の機会を与えず、過払金の返還を免れようとしてきました。


最高裁平成17年7月19日キャスコ判決


最高裁は、平成17年7月19日、「特段の事情がない限り、貸金業者は借主に対して取引履歴を開示する義務を負う」と判断しました。

また、最高裁は、不当に開示を拒んだ場合には損害賠償請求の対象になることも判断しています。

これにより、貸金業者は取引履歴の開示にスムーズに応じるようになり、債務整理にかかる期間が大幅に短縮されました。


貸金業法の改正


最高裁の判決を受け、貸金業者に関する法律が改正され、その中では「取引履歴の開示義務」が明記されました。


以上のように、最高裁判決や貸金業法改正により、取引履歴の開示義務については決着がついています。

しかし、中小の貸金業者は、「もう保存していないので開示できない」と拒むことも多々ありますので、こうした場合の対処方法が今後の課題になります。


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みなし弁済

過払金返還請求の争点として、かつてはみなし弁済の問題がありました。

みなし弁済とは、一定の厳格な要件を満たした場合、利息制限法の制限を超える利息の弁済が有効とみなされる制度です。


みなし弁済成立の可能性は低い


みなし弁済成立の要件として、「顧客が任意に返済すること」が必要ですが、最高裁は、平成18年1月13日の判決において「期限の利益喪失特約が存在する中で行われた返済は、任意の返済とはいえない」と判断しました。

通常、貸金業者の契約書には期限の利益喪失特約が入っておりますので、現在では、みなし弁済が成立することはほとんどありません。


商工ローン(特にシティズ)には注意が必要


現在、みなし弁済が認められる可能性は非常に低いのですが、商工ローン、中でもシティズという貸金業者の場合には特に注意が必要です。

平成18年1月13日以前、シティズはみなし弁済の厳格な要件を守っており、「シティズの取引にはみなし弁済が成立する」と言われていました。

平成18年1月13日の最高裁判決ではみなし弁済が否定されたのですが、その後シティズは、最高裁が指摘した点を修正した契約書を作成しています。

債務整理の事案において、シティズは現在でもみなし弁済の主張をしてくるようですので、かなりの注意が必要です。


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posted by 司法書士高野和明 at 23:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 過払い金返還請求の争点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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