残高無視計算に基づいて過払金返還請求を行うには、基本的には提訴するしかありません。
では、提訴すれば簡単に勝てるのかと言いますと、結論を先に言うならば、残念ながら簡単には勝てません。
<残高無視計算の問題点>
残高無視計算の最も大きな問題点は、未開示部分の取引の長短に関わらず、開示された取引履歴の冒頭残高をゼロとしてしまう点です。
例えば、レイクは平成5年9月以前の取引履歴を開示しませんが、レイクとの初回契約が平成4年1月だったとすると、開示されていない取引の期間は1年9ヶ月程度ということになります。
通常、1年9ヶ月程度の取引で過払い状態になることはありませんので、平成4年1月にレイクから50万円を借りたとすれば、平成5年10月の段階では30万円〜50万円程度の残高が存在したことは想像できます。
しかし、残高無視計算では、このようなケースであっても平成5年10月時点での残高をゼロ円として扱うことになるのです。
裁判官としては、現実にあり得ない計算結果を認めることに抵抗を抱くことも少なくないようで、私が担当した事案ではいずれも難色を示されています(私の主張の仕方が悪い可能性もありますが・・・)。
<残高無視計算の現実>
司法書士や弁護士は、残高無視計算を「冒頭残高が存在することについて、貸金業者に立証責任がある」という前提で主張するわけなのですが、裁判所は「冒頭残高がゼロ円だったことについて、顧客に立証責任がある」という考え方を取る場合が多いように思われます。
裁判所の考え方をレイクの事例にあてはめると、昭和60年頃に契約をしていれば、平成5年10月までには8年程度の取引期間があり、平成5年10月の時点で残高ゼロ(過払い)状態にあったことが推認できるので、残高無視計算が認められやすいことになります。
逆に、未開示の取引期間が短い事例では、残高無視計算ではなく、取引履歴の推定計算を指示されることが多いように感じます。
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posted by 司法書士高野和明 at 12:56
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過払い金返還請求の争点
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